2012年10月13日

まちづくり大学第8期第14講義概要速報

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 まちづくり大学(第8期)〜M講義
福祉の公的サービスの溝に対する地域ネットワークの必要性〜 
 
        
講師  大阪府立大学人間社会学部福祉学科准教授 
                                    小野達也氏
        
       支援センター側Co-Ordinator  白井
               出席者数27名(M18  F6 補講1 聴講2)
       ★本日講話のU Stream動画 (←Click)
9:39

m121013a.jpg大阪狭山駅に南海で来た。電車を降り市役所の前までくると丁度目の前に(お祭りの)地車が通っていくというまさにその日に皆さんようお出でいただいた。  私の授業の一つのキャッチフレーズは元を取らせるということなのて、お越しいただいたからには是非元を取ってお帰り願いたい。 一時間半ほどお付き合いいただく。

私の一番の専門は地域福祉。 先週社会福祉協議会の方がお話されたと思うが、今は福祉の中で何が一番中心かと問われたら、地域福祉と答えれば間違いない。 法律にも地域福祉を中心にいこうと書かれている。 高齢者福祉・児童福祉などの中で、全体の福祉を地域福祉中心に進めていこうとする法律・・・・それが社会福祉祉法。 そういう時代である。 今日はそのあたりをいろいろな角度からお話したいと思っている。 その身近な例として私は人間社会学部に属している。 

ところが、人間社会学部は今の学生で二年生以上、今の一年生は、地域保健学域教育福祉学類に再編された。  これは数年前の二重行政再編で一気に2ヶ月ほどで出来てしまった。 信じられない速さ・・・今の時代はそれくらい早いスピード。 だから改革が始まると・・・・、

もう一つの例は、今大阪市で地域を再編成しようとしている。大阪都構想のなかで今の区を5つとか6つにまとめていこうとしている。 さらに周辺の市をつけていこうともしている。  住民レベルではもっと切実。 いわゆる自治会・町内会レベルの地域再編がそれ。  一つのまとまり協議会にしていこうとしている。 住民の力からでなく、完全に上からのベクトル。  

その中で地域再編のスピーディな動きは28年までこのまま進んでいくだろう。 これも急な話し。 地域の思惑を行政の思惑にあわせて作り変えてもいいのだろうか?  そうでないモデルができたらいいのでは・・・ 狭山はその先進的な例。(九州中間市の例⇒省略) 小学校区、中学校区の範囲でまちづくりをする・・・かが今問われており話しの入り口になるところである。

朝から生々しいお話となったがここでレジメに沿いながら進める。

@地域福祉の今
地域福祉の広がりとは、大体小学校区ぐらい。
しかし住んでいる人の広がり感は、その人の生活に関わりがある。行政区域と一緒でもない。 従って日常生活圏域が便利かどうかが地域の感覚だろう。 移動手段をもたない高齢化社会では買い物難民の例がそれ。 今地域福祉が社会福祉の中心になっている。 地域福祉の一番に目指しているものは・・・生活。 

10:05
A地域福祉の歴史

では、ポイントに入る。 簡単に社会福祉の戦後の展開を考えるとその時期は1945年以降。敗戦国であったが故にさまざまな問題を抱え、生活そのものが難しく社会福祉が始まった。 貨幣的ニーズ⇒福祉とは金品の提供が出発点。

m121013d.jpg@まず貧困問題への対応期があった。 その時の最初の問題は貨幣的ニーズ⇒金で解決できる金品の提供⇒これが戦後福祉であった。 自分で生活できない人が行政の世話になるイメージである。 これが戦後福祉の出発点。 古代の福祉感と全く異なる、しかしスティグマ(焼印)を嫌う感覚であり、福祉を受けることへの抑制でもあった。

A1960年後半以降の福祉は、入所型施設での対応と変化する。
経済高度成長に伴い⇒次第に豊かな社会になると、非貨幣的ニーズ、つまりケアーのサービスの必要性が求められるようになった。 例を挙げると70年をピークに始まったこの近辺では金剛コロニー。 親なきあとの心配⇒つまり入所型施設への福祉のやり方が始まったのである。

Bそれが1980年代になるとまた新しい問題が顕在化する⇒高齢社会⇒在宅ニーズへの対応がそれである。  つまり
★高齢社会の方向⇒障がい者福祉と異なり、高齢化福祉は、地域に暮らしたいとの素朴な思いへの対応である・・・・しかし80年代では限られた福祉であり、公的サービスでの対応は不可であった。 
★住民参加型在宅福祉サービス ⇒住民の助け合いの仕組みが始
まり、有償ボランティアの発想がここに生じたのである。 
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もともとボランティア活動とは何か?三つある
1.自発性⇒ヤル気
2.社会性⇒世直し
3.無償性⇒手弁当
これが良く言われたボランティア。 

しかし、1980年代最後頃から政策的にも在宅福祉支援に舵を切って有償ボランティアの出現となったのである。 多い時は当時全国で2000団体くらいあった。 ここが有償になった。 特に生活を支えるボランティアがこれ。 主に主婦層であった。 助ける住民、利用する住民の福祉サービスの発生である。 

Cそういう時代を経て、地域福祉の本格化は2000年から始まった。 それが公的サース。 社会福祉法の出現に留意願いたい。 これがいわゆるゴールドプラン⇒在宅福祉を強めていこうとするもの。 つまり介護保険社会福祉法が2000年から施行され、地域福祉計画が中心的であり、地域の中で幸せになっていくのを目指すのだが、実は2000年以降から難しい問題が顕在化し始めた。 実は公的サービスの溝のお話をしたが、盲ひとつの溝があることが分かってきた。 それが、2ページに示されたある報告である。

2. 二つの報告書  福祉の当面の問題
AAA
一つは社会的な援護を必要とする人々に対する社会福祉のあり方(2000年)。
問題意識として、ゆたかな社会、しかし⇒社会的援護を必要とする人々に社会福祉の手が届いていないこと。 社会経済環境の変化によって、新たな不平等 及び 差さえある機能脆弱化がそれである。

問題が解決しない利用は
1.家族・地域・職域が@つながりが弱くなっている。A個人が家族や近隣とかかわりなしに生活できる便利な社会
2.行政・サービスの提供者が、@専門性の高まりのなかで制度の谷間に落ちることでここをなんとかしなければならないAサービス提供者⇒目的とした事業以外への動機が働かない・・・ことである。

これに対する対応の理念として出てきたのが、今日的なつながりの再構築なの
@新たな公づくりであり、自治会、社協、NPO、生協、農協、各種団体であり、
A相談体制の重視
B問題把握から解決まdの総合アプローチ
Cセーフティネットの構築
である。

路上死⇒ホームレス問題⇒外国人問題⇒アルコール依存⇒中高年リストラ⇒若年層の不安定問題⇒虐待⇒孤立・孤独死など、介護より日本ではこんなことが問題となっているのである。 これが出たのが2000年以降。 その理由が規制緩和。 その制度で生活できない人が増えたのである。 これへの対応が日本全体で遅れたのである。

つまり経済の変化に伴う貧困⇒社会的排除(心身障害・不安・社会的孤立)が日本の中で起きてきて、この社会的排除が、大きな問題であることが分かり始めたのである。

この問題が解決しない理由は、
★家族・地域・職域で、1.つながりが弱くなってる。 2個人が家族や近隣とかくぁりなしに生活できる社会。
★行政・サービスの提供者が、1.専門性の高まり⇒制度の谷間に落ちる 2.サービス提供者⇒目的とした事業以外への動機が働かない、社会福祉ニーズの捉え方
である。 ここをなんとかしなければならない。

10:39
BBB
これからの地域福祉のあり方に関する研究会報告書(2008年3月)

地域にある問題としの制度の谷間とは、公的なサービスだけでは対応できない生活課題がそれである。 つまり複合的な問題に総合的にサービスが供給されていないのである。
だから、「新たな支えあい」共助の確立を目指し住民と行政との協働の必要性が言われ始めた。

住民団体、ボランティア、NPOが担い手となり地域の生活課題の解決として出現したのが、地域に新たな公共の創出⇒住民が主体となり参加する場となるのである。

CCC 新しいコミュニティのあり方に関する研究会報告書(2009年総務省)

少子高齢化や人口減少による問題は、市町村合併などにより住民の声が届きにくくなっており、極めて厳しい財政状況に直面する。 そこで地域で取り組む新しい公共空間の形成が必要なっている。 多様な力を結集した地域力創造として、地域まちづくり協議会と地域協働体の連携の仕組みが求められてきている。 しかしこれは全国一律に行われるのでない。 狭山は狭山なりの自由な発想でやっていかれるのが皆さんの力である。 大きな流れとしては分権化⇒皆さんの出番となってきている。

10:44
3ページのところだけ少しふれておく。
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新たな社会とサービスの形公共という課題

北欧などの福祉国家のKeywordは、ゆりかごから墓場までがキャッチフレーズ。 しかしそこまで国が面倒を見る制度。

ところが1979年のイギリスのウォルフォンデ報告にあるように、これが大きく変わってきた。

福祉は国がやるものから⇒@国だけでは難しい。
だから、左図の4つのどれどもいいがA、民間の市場でも(有料老人ホーム)、またイBンフォーマルな友人・知人による地域の助け合い、C民間非営利⇒ボランタリー活動などいろいろな組み合わせの割合で福祉ができてくる。

日本は30年前は、BとAの日本型福祉社会であったが、今はCと@の狭間に置かれている。 この割り合わせをどうしていくか、新しい仕組みを作ってこの割り合わせは地域で考えればよい。  

葉っぱビジネスのように、新しい社会的起業になれば、自分達で自立してもらえれば行政も助かる。 しかし福祉の問題ではそう儲かるものはない。 その辺のバランスをどう図るかは皆さんの立場であろう。

10:52
ここで4ページの資料最後のページの図参照。
生活世界のことに触れておく。

ハーバーマスの社会像として、現代社会は、システムが発展した便利な社会である。 しかし、本来人と人とが直接関わり合う生活世界にシステムが侵入しているのである。 ここに「生活世界の植民地化」という問題が生じてきている。 人と人とのつながりを壊してしまっている時代となっている。

そんならもう一度生活世界の方をしっかり立て直して、こんな地域にしたいとか、こんな生活をしたいというものをしっかり示していくことが大切。 もう一度地域のつながりを作り、そこからよりよい社会づくりを目指していこうとするのが、生活世界からの地域福祉、或いは社会づくりということになる。

あとは、特に付録的に確認しておきたいこととして、
@コミュニティワークとコミュニティソーシャルワークとは?
A地区福祉委員会とまちづくり協議会とどう上手く関係づくりをするか?
などの解説を付したのでご参照願いたい。

最後の方は少し駆け足となったが私の話しはこれで終りとする。
11:00




































posted by まちづくり at 16:11| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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